2023/07/14
7月12日夕方、大学そばの森林にて、粘菌観察会を行いました。1年生3名が参加してくれました。矢野先生の指揮のもと、木の皮や落ち葉の裏を探しましたが、時期的に少し早かったようで、なかなか見つかりません。本来は様々な形態の子実体が見られるはずなのですが、キノコのような菌糸が見つかるばかりで、粘菌にはなかなか出会えません。諦めかけたころ、数年前に見つけた場所と同じ場所で、オレンジ色の変形体を発見しました。変形体の状態での種の同定は難しいそうで、これがなんという粘菌なのかはわかりませんでした。学生が持ち帰ったので、うまく変形体から子実体形成に成功すれば、何かわかることがあるかもしれません。研究室に戻った後、矢野先生の持つ粘菌の標本を見せてもらいました。また第2回目の開催があれば、次はぜひ様々な子実体を見つけたいものです。
補足説明: 粘菌(変形菌ともよばれる)は、森林の中に入っていくと朽ち木や落ち葉の上で出会うことができます。胞子から発芽してアメーバ状の変形体(へんけいたい、動物的な形態)となり、ある時期になると胞子が詰まった袋状の子嚢(しのう)を持つキノコのような子実体(しじつたい、植物的な形態)となります。胞子は風に舞って新たな環境に移動し、条件が整うと発芽してまた変形体となります。このような特徴的な生活環から、動物にも植物にも菌類にも属さない「生物界のはみだし者」といわれています。